これまでの肝臓がんは感染症の要素が大きかったのです。しかし、ウイルスの感染ルートがほぼなくなると、事情は変わります。そうではない肝臓がんが増えるとみられているのです。
そのひとつが、アルコール性肝炎。およそ18万人を対象にした国立がん研究センターの大規模調査によると、男性は多量飲酒で肝臓がんのリスクが上昇します。多量飲酒とは、正味のアルコール量で1日69グラム以上。日本酒換算で3合以上です。これを避けることが肝臓がんを食い止める第一歩になります。
肝臓がんとの関係で、もうひとつ見逃せないのがNASHです。飲酒をよくする人がなる脂肪肝と区別して、非アルコール性脂肪肝炎といいます。アルコールを飲まない人の中にも、アルコール性肝炎と同じような重症化のシナリオをたどるケースがあるのです。肥満の人に多いことから、肥満予防も大切でしょう。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁