見つけるとお座り…がん探知犬はなぜ早期発見できるのか

写真はイメージです(C)Seregraff/iStock

「尿を提出するだけなので、健診を受ける人の負担が非常に少ない。今回の試みは研究の一環として行ったわけですが、1年目は想像より陽性が見つかる数が少なかった。そこで2年目は尿の量を増やし、容器も大きくするなどして、犬がもっと慎重にニオイをかげるような工夫をしました」

■センサーの開発にみ取り組む

 なぜ、がん探知犬は早期がんを発見できるのか? それは、がん患者には特殊なニオイがあるからだ。

「病院でがん患者の尿のニオイをかがせると、犬はお座りするなどの反応を必ずします。どれだけ早期のがんでも、必ずです。結果が分かった上でやっているので、当たっているかどうか、私たちもはっきり分かります。しかし健診ではがんの有無が分からない状態でニオイをかぎ分けるため、犬の反応が本当に正しいのかわからない。実際、昨年の金山町の健診では、陰性とした6人に通常の検査でがんが見つかりました。今後どうやって正確性を高めるかが課題です」

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