子供が手足に痛み…小児科も見落とす「ファブリー病」とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一般的に、年齢を重ねるうちに症状が変わる。30歳半ばくらいまでは手足の痛みがメインだが、それ以降は心臓の症状(心肥大、不整脈、心不全)、腎臓の症状(タンパク尿、腎不全)が増え始め、50歳を過ぎた辺りからは脳血管の症状(脳梗塞、脳出血)が増え始める。

「ファブリー病は、脳卒中の0.36~4.9%、透析患者の0~1.7%、肥大型心筋症の0~11.8%、末梢神経障害の20.8%いるという海外のデータもあります」

 肥大型心筋症などの治療を受けている中で、循環器内科の医師がファブリー病を疑い、確定診断へつながるケースも少なくない。

「しかし、心臓や腎臓に症状が表れてからでは、重症度が増してくる。早期治療が肝要であり、20代までに確定診断されるのが望ましい。子供の頃から手足の痛みなどがあり、病名が分からない場合は、ファブリー病の診断を行っている病院をインターネットで探して受診してください」

 治療は、働きが弱い・ない酵素(α―ガラクトシダーゼ)を補充する方法などがある。これによって症状を改善するだけでなく、進行も抑えられる。「生活することにおいて、できないことがほぼなくなった」と話す患者もいる。

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