メモは6年経った今もずっと同じ場所に貼られている。
「ただ、引っ越してから2度ほど花火大会を見ることができた。こんな幸せな時間のために新居に引っ越してきたんだよ、と妻は言いたかったのかもしれません。最後にしてあげられた僕からのプレゼントってなるのでしょうかねぇ……」
佳江さんは資産価値のことまで考えてこの家を選んでいたという。その後も住み続ける夫が路頭に迷わないよう、妻からのプレゼントだった可能性もある。
(つづく)
がん発症の妻にしてあげた10のこと