かたやDOACの価格は1錠538円と、ワーファリンの50倍以上です。前述したワーファリンのケースと同じ効果を得ようとすると、1日約500円、1カ月では1万5000円となり、3割負担でも薬代は月4500円になります。抗凝固薬は他の薬も一緒に処方されるケースがほとんどなので、60日処方となると薬代だけで1万円を超えてしまうのです。
この価格が患者さんにとってバカにならない負担になっています。先に説明したように抗凝固薬は副作用が出ない限り飲み続けなければならない薬です。しかし、継続的に飲み続けている人は全体の80%程度で、20%の患者さんは脱落してしまいます。
薬をやめてしまう理由はいくつも報告されていますが、「費用」は非常に大きい要因になっています。当然、薬代が高くなれば脱落する人は増えるので、ワーファリンに比べてDOACは脱落率が高いのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」