病み患いのモトを断つ

林先生「効かない」で物議 風邪の漢方薬がよく効く服用法

「ぶるっとしたら」飲めばよく効く

「葛根湯などで体が温まり体温が上がるのは免疫反応ですから、それを“熱が上がった”と勘違いして解熱鎮痛剤で下げるのはよくありません。ブレーキとアクセルを一緒に踏むようなものです」

 記者も先日、咳が出てしばらくすると、寒けを感じた。そこで麻黄湯を服用。しばらくすると、体温が38・8度に上昇。体が火照ったが、6時間ほどで体温が下がると、体が軽くなり、すっかり回復。咳は出なくなっていた。

「麻黄湯はインフルエンザによる節々の痛みにも効果的で、小青竜湯は風邪による鼻炎症状のほか花粉症の鼻炎症状も抑えてくれます」

 ちょっと古いが、日本東洋医学会の「エビデンスレポート2007」には麻黄湯とタミフルを比較した研究結果が掲載されている。

 麻黄湯単独と併用、タミフル単独の3つに分けて、解熱効果を比較したところ、併用が最も解熱したものの、麻黄湯単独の方がタミフル単独より解熱効果が高かった。さらに、関節の痛みや倦怠感などを和らげる効果は麻黄湯のみでタミフルにはないから、麻黄湯の方が使い勝手がいい。

「葛根湯も麻黄湯も体を温めるので、高温に耐えうる体力があることが重要。体力がない人は、香蘇散がいいでしょう。また、症状が長引いている人は、柴胡桂枝湯がベターです」

 自宅と会社に初期用の漢方薬を用意して、ぶるっとしたら飲めばいい。

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