顎の疲れや歯の痛み…高齢者の口元異変に潜む意外な病気

(C)pashapixel/iStock

「口舌ジスキネジアの患者さんは歯をカチカチ鳴らしたり、噛み合わせながら左右に動かすことで歯の表面を摩耗させたり、入れ歯を傷つけたり、口に痛みを感じたりします。なかには舌を動かさないよう歯に押しつけるため、舌先に痛みを訴えられる患者さんもおられます。話をするのに支障はありませんが、しゃべり方が変わる人もいます」

 その原因のひとつに薬の副作用がある。抗うつ剤や睡眠薬、パーキンソン病治療薬などで起こることがある。

「抗うつ剤や睡眠薬による口舌ジスキネジアは、薬を飲み始めてかなり時間が経ってから症状が表れることが少なくありません。なかには、薬をやめた後に症状が表れることもあり、遅発性ジスキネジアと呼ばれています」

 薬以外に中枢性の障害で発症することもあり、統合失調症、アルツハイマー病、認知症、自閉症などさまざまな病態が引き金になるといわれている。ラクナ梗塞もそのひとつだ。

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