人生100年時代を支える注目医療

高齢者のヒートショック対策「入浴は14~16時」を医師推奨

高橋龍太郎院長(提供写真)

■暖かい浴室でも血圧は30以上も上下

 高橋院長らは以前、男女103人の高齢者(平均74歳)を対象に入浴前後の血圧変化の実験を行っている。

 41度の湯温で5分間入浴した場合の最大血圧(収縮期血圧)の変動を2分間隔で測定したのだ。

 その平均値でみた結果は、服を脱ぐ前の血圧は約136(㎜Hg)、服を脱ぐと約156(同)、湯に漬かった直後は約166(同)に上昇、それが5分後に湯から出た直後は約135(同)に急激に低下している。

「実験は、安全を保つために脱衣所が暖められた公衆浴場を使いました。一般家庭では、脱衣所が寒かったり、湯温がもっと高かったり、入浴時間も長いので条件はもっと悪いはずです。血圧が30以上低下すれば、起立性低血圧や食後性低血圧と同じ状態で、失神や意識障害を起こしてもおかしくありません」

2 / 4 ページ

関連記事