人生100年時代を支える注目医療

高齢者のヒートショック対策「入浴は14~16時」を医師推奨

高橋龍太郎院長(提供写真)

 若い世代では、これほど大きな血圧変動は起こらない。高齢者は動脈硬化が進んでいる場合が多く、血管のしなやかさが失われているために急激な血圧変動を起こすのだ。

 特に、治療で血圧が正常にコントロールされていない高血圧の人は要注意という。

 では、どんな対策をとればいいのか。最も有効なのは断熱改修だが、コストの面でどの家庭でもできるわけではない。すぐできるのは、高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯をはることで、湯気で浴室全体を暖めることができる。脱衣所と浴室の扉を開いておき、5分間やるだけでも十分効果がある。また、浴槽のお湯の温度は41度以下にするのがいいという。

「外気温の冷え込みが強くない、夕食前や日没前の入浴も対策のひとつです。ホルモン分泌の関係で、人の生理機能は14~16時ごろがピークになります。夜に入浴するよりも体の温度差への適応がしやすいのです」

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