遥か、遥か彼方……。そして太陽は またかがやきつつ私の真上にあった。
(ここまでのことは歌集「疾中逍遥」102ページ、103ページに記されています)
この夢は深い印象を与えました。夢を「見た」のではなく「体験した」という以外に表現できないようなことだったのです。
秘儀的な驚きと恐ろしさに魂が揺さぶられるような体験を、夢を媒介になぜしたのか。また、なぜすでにこの世の人でない昔の友が夢で道案内をしてくれたのか。川平は、朝目覚めてすぐにこれらの解明に取り組むことを激しく強いられました。そのまま放置できないほどの強い力をこの夢は持っており、そうしないではいられなかったのです。
「背を見せているだけで友人は何も言わなかった。でも言いたげであった。だから自分で解かなければならない」
がんと向き合い生きていく