お酒と健康 8つの疑問

生まれつきの能力で決まる? 下戸でも鍛えれば強くなるの

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、アルコールを肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解させる仕組みは、1つだけではありません。3つの代謝経路が関わっています。一つはアルコール脱水素酵素、もう一つはカタラーゼ系、最後にミクロソームエタノール酸化系(MEOS)です。この中で、アルコールの代謝能力が最も高いのがアルコール脱水素酵素です。しかし、この酵素はいくらアルコールを飲んでも鍛えることはできません。

 一方、カタラーゼ系やMEOSは、一生懸命お酒を飲み続けると活性が高まるといわれています。これが「お酒は鍛えれば強くなれる」という話の根拠になっているのだと思います。ただ、いくら活性が高まったとしても、アルコールの分解能力の向上はたかが知れています。25%程度という話もあります。

 ですから、下戸の人が飲めるようになったとしても、お酒が強い白人や黒人並みの大酒飲みになることはなさそうです。

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