独白 愉快な“病人”たち

金子エミさん「手のモデル」としての“余命”は覚悟できた

金子エミさん(C)日刊ゲンダイ

 そうやって長男の練習に夢中になっているうちに、痛みは小指から徐々にほかの指にも広がっていき、1年経ったこの夏には、すべての指が痛くなっていました。それも第1関節だけ。ちょっと物が当たっただけで痛いし、ペットボトルの蓋が開けられない、包丁は使えない。そして、クルマのハンドルを握るのも痛くなって、いよいよ「これはまずいな」と思ったのです。

 そこで、ふと思い出したのが、指の第1関節が曲がっている、近所で馴染みのおばちゃんのことでした。失礼ながら指について伺ったら、「曲がるまでは痛かったけど、曲がっちゃったら痛くないのよ」とあっけらかんと言われ、そのとき初めて「ヘバーデン結節」という病名を聞きました。

 その後、近所の整形外科でレントゲン検査しましたが「異常なし」。でも痛みはあるし、曲がっちゃうのは嫌だと思い、知り合いの女医先生に相談したんです。

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