現在、プラルエントの適応は「家族性高コレステロール血症と高コレステロール血症」で「心血管イベントの発現リスクが高い」うえ、スタチン系では効果が不十分な場合に限られていますが、今後は適応が拡大されたり、同じようなタイプの確実性のあるコレステロール降下薬がどんどん出てくるでしょう。
ただ、コレステロール降下薬は基本的にはずっと飲み続けなければいけないので、高価な新しいクスリは患者さんの負担が大きくなってしまいます。ですから、自分に合っているクスリをしっかり選択することが大切です。
コレステロール降下薬を服用する際、いちばん注意しなければならないのは副作用です。筋肉痛や関節痛、まれに筋萎縮や横紋筋融解症といった重篤な副作用を起こす可能性があるからです。
虚血性心疾患の患者さんの再発を予防する場合、一般的にはLDLを「90㎎/デシリットル以下」にコントロールすれば良いといわれていて、さらに「70以下」に管理するとより明らかな再発予防効果があるというデータもあります。コレステロール降下剤を使ってそれくらい厳格に管理すると、副作用を訴える患者さんが増える傾向にあるので、副作用の表れ方をしっかり見極められる医師を選ぶ必要があるのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」