73%が間違っている…マスクの使い方“○と×”を医師が解説

(C)tripelem/iStock

 風邪やインフルエンザ対策のために、通勤・通学でマスクを着けている人は多いだろう。しかし、間違った使い方をしていれば意味がない。

「実は製薬会社が行った調査で、『73%の人はマスクを正しく使用できていない』という結果が出ているのです」

 こう指摘するのは、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長だ。一体、どういう使い方が間違っているのか? まずは○×クイズを出すので、自分の使い方をチェックしてほしい。

 ①マスク着用中、口回りを覆う表面を時々触って顔にフィットするようにしている。

 ②マスクは1日使ったら、翌日は新しいものに替える。

 ③一家に1箱、使い捨てマスクの箱入りを常備し、家族で使っている。

 大谷院長に正解を聞こう。

■医師は診療日に20枚以上も使う

 まず、①は×。

「マスクを着用中、外す時ともに、表面を触ってはいけません。表面にはウイルスが付着しており、それが手などに付くからです」

 特に注意すべきは、外す時だ。ゴムひもだけを持って外し、速やかにゴミ箱に捨てる。

 次に、②も×。

 前出の製薬会社の調査では、マスクの交換頻度も調べている。それによると、全体平均では1日1枚が最多だったが、6人に1人が2日以上同じマスクを使用していた。

「①に通じますが、マスクにウイルスが付いているので、接触を防ぐために1回外したら新しいマスクに交換してください。マスクを外した時の行動として『ポケットやカバンに入れる』『半分に折って置く』『口側を上に置く』に覚えがある方もいるでしょう。いずれもNGです」

 そして、③も×。

 男と女、大人と子供で顔の大きさが違う。サイズ別にマスクが売られているので、一番自分の顔にフィットするものを選ぶべきだ。

 呼吸器内科が専門の大谷院長は、風邪やインフルエンザの患者と接する機会が非常に多い。

「マスクに限って言えば、マスクの表面を触らないのはもちろん、ゴムひもだけを持って外し、マスクに付いたウイルスに接触しないようにします。診療日は20枚以上、休日も外出ごとに取り換えるので4枚以上、マスクを使用しています」

 マスクを使っているのにインフルエンザに感染した! マスクは役に立たない……なんて思っている人は、そもそも使い方を間違えている可能性があるのだ。

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