進行・再発乳がん…副作用少なく“安定期間”延ばす薬が登場

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 内分泌治療は1次から3次まであり、“前の内分泌治療が効かなくなったら次”となる。患者によって、ひとつの内分泌治療が効いている期間も違えば、1次だけで終わる人、2次あるいは3次まで進める人もいる。内分泌治療をしている余裕がなく、いきなり抗がん剤治療に入る人もいる。

「脱毛や薬の副作用で日常生活を送りづらくなる抗がん剤治療に対し、内分泌治療はこれまで通りの生活を送りながら治療ができます。だから、内分泌治療を延長し、抗がん剤治療開始を遅らせる治療の研究が進められてきました。そういった意味で、新薬は非常に画期的なものです」

■日常生活を送りながら治療できる

 新薬は、乳がんの増殖や転移に関係する酵素、CDK4とCDK6の働きを抑制するメカニズムを持ち、「CDK4/6阻害剤」という。これを内分泌治療に併用して投与すれば、無増悪生存期間(がんが進行せず安定した期間)が約2倍延長するという結果が出た。

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