進行・再発乳がん…副作用少なく“安定期間”延ばす薬が登場

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 CDK4/6阻害剤には、2017年9月に承認された「イブランス(一般名パルボシクリブ)」と18年9月に製造承認された「ベージニオ(同アベマシクリブ)」がある。“約2倍延長”というのは、後者の臨床試験の成績だ。

「化学構造式は異なりますが、どちらもメカニズムは同じですので、臨床試験の無増悪生存期間は、先に承認されたCDK4/6阻害剤も同等です。また、先の薬パルボシクリブの全生存期間は、プラセボ(偽薬)より約7~10カ月延長。しかし、有意差では『ない』との結果でした。後のアベマシクリブについても、解析が済んでいないものの、全生存期間の結果は同等だとみています」

 つまり、CDK4/6阻害剤によって内分泌治療の期間は延びる。一方で、抗がん剤治療も含めた“何年生きられるか(全生存期間)”になると、CDK4/6阻害薬では有意に延びない。しかし前述の通り、これまで通りの生活を送りながらできる内分泌治療が延びる意味は大きい。

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