判明した原因は、ダニ。アメリカ中部から南部にかけて多く存在するローン・スター・ティックと呼ばれるダニが、家畜などの動物の血を吸った後に人間を噛んだ場合、人間の体内にはもともと存在しない、アルファ・ガルと呼ばれる炭水化物を送り込みます。
人体はそのアルファ・ガルに対して大量のアンチ・ガル抗体を作りだすため、次にアルファ・ガルを含む肉を食べた時、アレルギー反応を起こすメカニズムがあるのです。しかし、全ての肉がダメなわけではなく、鶏肉はOK。人によっては、鹿肉などの脂が少ない肉なら大丈夫ということもあるようです。
ダニが原因の肉アレルギーには、今のところ治療法はありません。しかし、多くの人が数カ月から5年ほどで自然治癒するとされています。しかし、関係者が問題視するのは、地球温暖化の影響でローン・スター・ティックが北上し、症例がアメリカ北部にも広がってきていること。今後こうした病気の広がりにどう向き合うのか、医療関係者にとっては大きなチャレンジとなりそうです。
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