他にもメラトニンには抗酸化作用(アンチエイジング効果)や、傷んだ組織の修復に関係する成長ホルモンの分泌を促す作用があるという。
「メラトニンの分泌は小児のときの方が多く、性成熟を抑制する作用もあると考えられています。実際、松果体に腫瘍ができて分泌が低下した小児では、思春期が早発することが知られています。また、高齢になると眠りが浅くなるのは、加齢に伴って分泌量が減少するからです」
もうひとつの睡眠に関係するホルモンが、1998年に日本人によって発見された「オレキシン」。脳の視床下部から分泌され、「眠り」から「覚醒(起きる)」へと切り替える働きをする。
「オレキ」とは「食欲」を意味するギリシャ語で、発見当初はマウス実験で食欲増進効果が注目されたが、その後の研究で覚醒を促すホルモンであることが分かっている。
意外に知らないホルモンの実力