役に立つオモシロ医学論文

定年後も働いた方が長生きできる? WHO発行学術誌に論文が

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最大で15年間追跡調査した結果、定年後に仕事をしていない人と比べて仕事をしていた人では、寿命が1.91年、認知機能低下に至るまでの期間が2.22年、糖尿病の発症までの期間が6.05年、脳卒中発症までの期間が3.35年、いずれも統計学的に意味のある水準で長いことが示されました。

 もちろん、この研究結果のみで、雇用状態と健康状態の因果関係を決定づけることは難しいですけれど、定年後も社会的なつながりを維持し、生きがいを持つということが健康の維持・増進にとって、重要な要素であると言えるかもしれません。

2 / 2 ページ

青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

関連記事