がん発症の妻にしてあげた10のこと

<最終回>本を出す「思い出す度、故人は生き続ける」

妻の佳江さん(提供写真)

2:30 母がやってくる。大きなお花とカニ寿司と手羽を持って。孝泰くん、張り切って昼からずっと洗濯中。

 2012年5月6日
緩和ケアを希望する理由

①苦痛な症状を楽に

②苦痛な治療なく穏やかに過ごしたい

③以前から緩和ケアを受けるつもり

④精神的な薬痛 不安を軽くして

⑤自宅療養のための準備期間ほしい

⑥自宅療養のためのアドバイスがほしい

⑦家族、親族に迷惑をかけたくないため

 2012年7月2日

 自分の自由を求めて。残りの少しの時間だけでも、強要されるのは嫌だ。人にしてあげることは好きでも。

 本当は泣き叫びたかった時もあったろう。佳江さんは、書くことによって平静さを保とうとしたのと同時に、生きた証しを残そうとしたのかもしれない。

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小宮孝泰

小宮孝泰

1956年、神奈川県小田原市生まれ。明治大学卒。80年、渡辺正行、ラサール石井と「コント赤信号」でTVデビュー。91年に佳江さんと結婚。2001年、31歳の佳江さんに乳がん発症。12年に永眠。今年9月に、出会いから別れまでの出来事をつづった「猫女房」(秀和システム)を上梓。

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