疲れを取る食と酒とのつき合い方

鍼灸師が考案 胃腸スッキリ「月曜断食」は挫折者ほぼゼロ

4週間の月曜断食で体重6.1キロ、体脂肪3.8%落ちたケースも
4週間の月曜断食で体重6.1キロ、体脂肪3.8%落ちたケースも(関口鍼灸治療院提供写真)

 最初のひと月で5~7キロ減、2カ月目で10キロ減。挫折した人はほぼなし――。こんな夢のようなダイエット法がある。いや、体質改善法といった方がいいだろうか。考案者の「関口鍼灸治療院」(東京)総院長の関口賢さんに聞いた。

 延べ7万人の患者さんへの体質改善指導から関口さんが考案したのが月曜断食だ。だれもがお金をかけずに手軽に、かつ安全に自宅で取り組める方法でもある。

「食べない(=不食)は、東洋医学において古くからある養生法です。人は、体で使うエネルギーの4割を消化活動に使っているといわれています。断食は、酷使している胃腸を休めて本来の働きを取り戻すことが最大の目的。傷ついた細胞の修復や回復に多くのエネルギーを費やせる体質にシフトするのです」

 もともと関口さんは、鍼灸院を訪れ体調不良を訴える患者たちに、鍼灸の力も借りながら3日間の断食を指導していた。しかしこの方法は、「関口さんのような専門家のサポートを受けながら」が大前提になる。

「治療院に通えなくても断食の効果を享受するにはどうすればいいか? そんな発想のもとに生まれたのが月曜断食です。最初のうちは空腹へのイライラ感、気持ちの落ち着かなさなどを覚える人もいますが、慣れるにつれ楽になってきます」

 月曜は食事を断ち、1.5~2リットルを目安に水だけ。どうしても空腹に耐えられなければ、スポーツドリンクを2口ほど噛むようにして飲む。

 火曜から金曜の3食は、それぞれ“咀嚼した時にこぶし2個分になるくらいの量”。朝は旬の果物と無糖ヨーグルト、昼は定食などのおかずだけ、夜は消化が早く胃に負担をかけない野菜料理が理想。土・日曜は“1食こぶし2個分”は守りながら好きなものを食べる。

「不食・良食・美食の流れです。月曜からスタートすると習慣化しやすいですが、別の曜日がやりやすければそれでもOK。慣れてきたら断食中も飲み会などに参加していい。飲み会や友達との食事が月曜に重なったら、別の日に断食をしてもいい。良食・美食の期間はお酒もどうぞ。ただし、ビールや日本酒は“飲む炭水化物”なので避けましょう」

 月曜断食のサイクルが出来上がりさえすれば、日常に組み込まれ、楽にできるようになる。

 実は本紙記者(44)も、10年ほど前から時々“プチ断食”をしている。丸一日断食はできなくても、意識して朝・昼を抜き、夜を蒸し野菜などにするだけで、体がスッキリ。プチ断食なしには、日々を楽しく過ごせないほどだ。

「まずは始めてみてください」と関口さん。月曜断食が習慣化した人からは、「花粉症が出なくなった」「血圧、血糖値、コレステロール値が正常値になった」「肌荒れが良くなった」「生理痛や月経前症候群が軽減した」などの声が続々と寄せられている。

(取材・文=和田真知子/日刊ゲンダイ)

▽せきぐち・まさる 東京メディカル・スポーツ専門学校鍼灸師科卒業。「中国式鍼治療専門店ハリー」時代に、不食(断食)と鍼灸の体質改善効果の高さを痛感。2010年開院。著書に「月曜断食」。

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