Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

麻美ゆまさんは3期で全摘 卵巣にできる境界悪性腫瘍とは?

麻美ゆまさん(C)日刊ゲンダイ

 境界悪性卵巣腫瘍は、抗がん剤が効きにくいことがあるのですが、麻美さんは元気に復帰されていることから、一部には境界悪性卵巣腫瘍ではなく、卵巣がんの成分があった可能性があります。卵巣がんなら、抗がん剤が効きやすいので。

 卵巣がんは、10%が遺伝的な要因で発症しますが、ほかの要素では、排卵の回数が多いと、発症しやすいと考えられています。晩婚化と少子化が重なっている今、妊娠や出産の経験がない場合や、初経が早く閉経が遅い場合はリスクが高くなる可能性があるのは、乳がんと同じです。このことは、男性も頭に入れておくといいでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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