手足に水疱ができる掌蹠膿疱症…「治療に満足せず」が多数

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 手のひらや足の裏などに膿を持った水疱が繰り返しできる「掌蹠膿疱症」の患者さんへのアンケート調査(「ヤンセンファーマ」調べ)が発表された。

 定期通院している掌蹠膿疱症患者20~79歳の161人を対象に、インターネットで調査したもの。患者比は男性75人、女性86人。

 それによると、症状が最も悪かった時期に、日常生活で困ることがあったシーンとして、全体のトップは仕事・就職。男女別では、男性は仕事・就職が最多であるのに対し、女性は家事・育児が最も多かった。ほかには、買い物・外出、睡眠、人付き合い、勉強・趣味があった。

 現在の治療に対する満足度としては、「満足していない」が31・7%、「どちらとも言えない」が44・7%、満足しているは21・7%。

 掌蹠膿疱症の治療が満足に至らない理由は、「症状が良くなっていないから」「再燃(再発)する可能性があるから」「治療期間が長いから」が上位3位に上がった。

 掌蹠膿疱症の治療に力を入れる日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野・照井正教授は、今回の結果についてこう話す。

「患者さんが日常生活で困っているのは大きく2つに分けられます。水疱や痒み、痛みによるものと、人に見られることです。仕事・就職、買い物・外出、人付き合いなどは人に見られることと関係していますし、家事・育児、睡眠などは症状に関係しているのでしょう。アンケート調査では治療に満足していない人が31・7%ですが、大学病院を受診する患者さんたちの状況から考えるとこの数字はもっと多いはず。インターネット調査という性格上、比較的軽症の方が回答者に多いのかもしれません」

 掌蹠膿疱症は研究の遅れから、重症例では薬があまり効かないケースも珍しくなかったが、最近新薬が登場。今後は治療後の経過が大きく変わることが期待される。治療に満足していない人が大きく減っていくかもしれない。

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