降圧薬は最も安全な薬のひとつですが、それでもさまざまな副作用があります。「Ca拮抗薬」のむくみや顔面のほてり、「利尿薬」の低ナトリウム血症、低カリウム血症、「ACE阻害薬」の咳などです。しかしこれらの副作用は、他の降圧薬への切り替えで対応できますから、症状が出たところで対応可能です。
それに対して一度起こると取り返しがつかない副作用はそういうわけにはいかず、注意が必要です。なかでも降圧薬との関連が繰り返し指摘されるのが、がんとの関連です。
ACE阻害薬、ARBの2つについて、がんとの関連の報告があります。ARBについては2010年にランダム化比較試験のメタ分析という信頼性の高い方法で検討されており、新たながんが100から108、つまり8%増えるという報告があります。ただ、この後の研究でがんの増加はないという結果も報告され、今ではあまり問題にされなくなっています。
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