実はアルコール依存症は関連する遺伝子が次々と見つかっています。
例えば、「オピオイド受容体遺伝子」です。
オピオイドは麻薬性鎮痛薬やその関連合成鎮痛薬などを指す言葉ですが、麻薬=オピオイドではありません。中枢神経や末梢神経に存在するオピオイド受容体への結合によりモルヒネに似た働きをする物質を言います。
こうしたオピオイド物質は、植物由来のものもあれば化学的に合成されるものもあります。また、エンドルフィンのように生体に危機が迫った時に体内で作られる内因性のオピオイドもあります。
オピオイド物質は鎮痛効果を持つと同時にその報酬・依存作用により、依存症の原因になり得るといわれています。
実際、オピオイド受容体が変異すると、アルコールによる快楽が続くなどして、アルコール依存症を発症しやすくなることがわかっています。
お酒と健康 8つの疑問