独白 愉快な“病人”たち

洞口依子さん がん手術から10年後に発症したリンパ浮腫を語る

洞口依子さん(C)日刊ゲンダイ

 厳密に言えば、1年に2~4本のみ、高い医療用ストッキングを試着もせずに買うのです。これには何だかちょっと腑に落ちない。なので、メーカーさんに直接電話して「フィッティングのお試し会を無料で開いてくれませんか」って要望したこともあります。

 真夏に真っ黒なタイツをはいてて「暑苦しい!」と言われたり、お気に入りの履けなくなったサブリナシューズは全部処分しました。でも、志向を変えて髪もバッサリ切り、装いも新たにイメチェンして、リンパ浮腫による変化を楽しんでいます。

■「一人の意見じゃ何も変わらない」と諦めたくない

 リンパ浮腫外来のある病院も本当に少なかったのです。手術という手段もありますが、賛否あるようだし結局、諦めてしまう患者が多いとも聞きます。

 病院の先生は、「日本の女性は辛抱強い」とおっしゃっていました。私が子宮頚がんになった2004年くらいは高齢な患者が多かったけど、今は若い患者が増えている。辛抱強かった世代から患者も世代が変わった。

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