実は、ちょっと古い論文ですが、こんなデータがあります。1997年に発表された研究結果によると、病理検査で胃がんと診断された428例のうち55例は、胃・十二指腸内視鏡検査の結果に誤診があったと報告しています。誤診率は13%に上ります。
今は診断技術がグンと上がっていますが、普及すればするほど、検査する医師の腕に差が生まれるのも事実です。人間の医師の場合、大きく見積もって1割は誤診の恐れがあるといえるかもしれません。
胃がんでいうと、特に気をつけたいのが、悪性度の高いスキルス胃がんです。スキルス胃がんの部位や状況によっては、胃の内視鏡検査よりバリウム検査の方が発見しやすいことがあります。つまり、人間ドックなどで毎年胃カメラ検査を受けているという人も、油断できないということ。この点は、ぜひ頭に入れておいてください。
梅田悦生・赤坂山王クリニック院長
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