病み患いのモトを断つ

東海大監督は17kg減 走り過ぎは「マラソンED」を招く恐れ

月間120km超でテストステロン減少(C)日刊ゲンダイ

 走る人の中には、痩せてムスコが元気になったという人がいる一方、ムスコがなえる人もいる。相反する状況が生まれるのは、走る量や負荷の強さが影響しているということだ。では、走行距離でいうと、どのあたりが分岐点なのか。

 よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックの奥井伸雄医師の調査によると、月間走行距離が100キロまではテストステロンの分泌が増えるが、120キロから減り始め、200キロを超えると、ガクンと落ちる。

 その程度なら、ムスコの元気に一役買うかもしれないが、「もっと自己ベストを短縮したい」などと走行距離を150キロ、200キロと延ばすにつれて、いつの間にかムスコはくたびれてやがて役立たずに。一般にフルマラソンの完走には、月間100キロが最低条件とされるから、“マラソンED”の市民ランナーは結構いるはずだ。

「テストステロンの合成に必要なのは、タンパク質です。走っている人は必ず肉や魚、大豆などを積極的に摂取するのが大切。何より運動は適切な強度で体を慣らしてから、少しずつ負荷を上げていくことです。適切なレベル? 60分体を動かして軽く汗ばむ程度。体を動かす習慣がない人が始めるなら、いきなり走るのではなく、ウオーキングから。走り慣れている人も、毎日はよくない。週に2、3回にとどめて十分な休養と栄養補給を心掛けることです」

 走り過ぎによってもたらされるテストステロンの分泌低下は、いわば男性更年期の状態。休養すれば低下したテストステロンは戻るというが、旺盛な運動習慣と症状がリンクしにくく、見過ごされやすいから厄介だ。

3 / 3 ページ

関連記事