一方、見落としがちなのが骨関節症状。
「患者の4~30%で骨関節の炎症を伴うといわれ、中等症以降の患者が多い施設では50%近くに見られます。主に胸肋鎖関節の症状で、前胸部が痛む。心臓病だと思う人もいます。単純X線検査では、初期の病変を見逃しやすく、炎症を反映しやすい骨シンチ検査が有用です」
骨関節症状が進むと、骨破壊で歩けなくなることがある。研究では、重症度と関係なく、骨関節症状が生活の質(QOL)を下げることが明らかになっている。
「骨関節症状が出始めたら早期に治療を開始することが重要です」
これまでの治療は、掌蹠膿疱症の発症にかかわると考えられている「扁桃炎や歯性病巣など病巣」「喫煙」「金属アレルギー」を取り除き、外用ステロイド薬や外用活性型ビタミン、紫外線療法、レチノイドが用いられる。しかし、ステロイド外用薬などの薬は骨関節症状への効き目はなく、中等症から重症例の患者は、症状コントロールが非常に難しかった。