性感染症を疑うポイントは、「いつ」「どこで」「誰と」「何をしたのか」。受診時に医師にきちんと伝えないと見落とされる可能性がある。尾上院長は過去に、こんなケースがあったという。
30代男性で受診の3日前に、ピンクサロンでオーラルセックスのサービスを受けた。そして、尿道口から黄色い膿(うみ)が出てきたことから受診。最初は「淋菌性尿道炎」と診断がついた。ところが性器診察時の問診で、さらに約3週間前にソープランドで腟性交とオーラルセックスをしていたことが判明した。
「それで患者さんの尿道口を開いてみたら、尿道粘膜に潰瘍が見つかりました。実は、淋病にかかる前に梅毒に感染していたのです。ピンクサロンで淋病にかかっていなければ、本人は梅毒の感染には気づいていません。診療経験の豊富な専門医でないと、このようなケースでは梅毒は見逃されてしまうでしょう」
性感染症最前線