心臓の大きさは、病気がなければ成人するころまではどんな人でもだいたい同じくらいです。しかし、その後の心臓の成長は、生活環境の違いによって変わってきます。心筋の強さ、組織の脆弱さ、不整脈が起こりやすいか否かなど心臓が病気しやすい方向に成長するのか、そうでないかは、食事や睡眠などの生活習慣が大きく左右するのです。
■過去の常識は通じない
事実、若い人の心臓のつくりは病気の発症の仕方さえ変えてしまっています。いまの若い世代には高齢の世代が若かったころには見られなかったような心臓の病気が増えているのです。例えば変性性の心臓弁膜症や解離性大動脈瘤といった病気です。
とはいえ、70代以上とはまったく違う環境の中で育ってきたいまの若い世代が、いきなり生活習慣を変えることはできません。だからこそ、若い世代の人は心臓に関して「世代によるリスクの違いがある」ことを覚えておく必要があります。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」