その点、小説なりなんなりの原稿を書くという活動なら、十分に能動的である。文章がうまく組み立てられない時点で、自分がおかしくなっていることにいや応なく気づく。
しかしそれにも、「たまたま調子が出ていないだけなのかな」と疑う余地が残される。
僕は日頃、原稿を書く時に迷いはほとんど生じない。迷いが生じるとしたら、脳が正常に機能していないのだと見なすべきなのに、現に低血糖になっていると、その認識すら揺らいでしまう。それに、書くべき原稿が常にあるとも限らない。
いろいろ試してみて、最終的には「語学の勉強」に落ち着いた。僕は言語オタクで、ここ数年は趣味でオランダ語を勉強している。CDを聴いて課題文を書き取り、テキストを見て自ら添削する。それがうまくできない時はおかしい、と自己判断する。これが最も間違いがなかった。
「超速効型」インスリンを使用している現在は、そんな苦労からも解放されている。
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