「日照時間が長いことが、がん全般の発症を抑えていると思われます」とは医学博士の米山公啓氏だ。
「日光に当たる機会が多いため脳内でセロトニンが分泌されストレスに強くなる。その結果、がんに対する免疫力を維持できるのです。沖縄県民の胃がん発症率が全国で最少なのは塩分の摂取が少ないから。南に位置するため糖分を好む傾向があり、相対的に塩分の濃度が低いことがプラスに働いています。保存食の漬物などを塩辛くして胃がんの患者を増やしてしまう東北とは大きな違いがあります」(米山公啓氏)
因果関係は不明だが、食道がんの患者は熱い食べ物を好む人や高身長の人に多いことが統計上、分かっている。沖縄は温暖のため熱い食べ物に固執しない。県民の身長も低い。2014年の「学校保健統計調査」によると、17歳の男女はどちらも全国で最下位だった。このほか、果物を食べる習慣が浸透していることもがん予防につながっている。