検査数値 裏読みナナメ読み

安静時の「異常なし」は要注意 心電図検査の“盲点”を知る

検査時に発症しなければ、チェックができない(C)日刊ゲンダイ

 ドアノブをつかもうとしたら、静電気が……。体に電気が通るように、人間の体は電気が重要な役割を担っています。脳からの指令も神経を通って電気が伝え、心臓の動きは電気に支配されているのです。

 心臓の動きを電気的に記録する検査が心電図で、皆さんも健康診断でおなじみでしょう。上半身裸であおむけに寝て、両手首と両足首、胸の合計6カ所に電極をつけて調べます。電極を取りつけても体に電気を流すのではなく、心臓の拍動によって生じる電流を記録するものです。

 装着時にヒヤッとしたのも束の間、検査はすぐに終わり、波形が表示されます。波形に異常があると、心臓のどこが問題なのか、考えられる病気は何かといったことが分かり、治療効果の判定や薬の副作用のチェックにも効果的です。

 心臓をターゲットにする検査だけに、異常があると心配でしょう。しかし、異常がないときこそ要注意といえます。

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