腎細胞がんは常識が通じない いま知っておきたい4つのこと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■複合免疫療法へ

 早期の腎細胞がんでは、根治を目指して手術が行われる。それが不可能な進行がんには、かつては分子標的薬が使われた。しかし前述のように、今は複数の免疫チェックポイント阻害剤による「複合免疫療法」が行われ、今後は選択肢が増えていくとみられている。

「オプジーボとヤーボイの併用では、全生存期間の延長だけでなく完全奏効(腫瘍が完全に消える)の可能性も出てきました。さまざまな薬剤が微小免疫環境に影響するのです」

 ただし、副作用の問題から、すべての進行がんに複合免疫療法が行われるわけではない。ヘモグロビン値、好中球、血小板など6項目の“予後予測因子”からリスクを低・中・高(Favorable・Intermediate・Poor)の3つに分け、適用のグループに該当した場合に複合免疫療法になる。予後予測因子がゼロ(3つのグループのうちリスクが最も低いFavorable)なら従来の分子標的薬、3個以上の高リスク(Poor)は複合免疫療法だ。

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