発達障害とゲーム依存

なぜ「ゲーム障害」の患者にADHDの人が多いか 医師が解説

いまのオンラインゲームには明確なゴールがない

■目の前の利益に飛びつきやすい

 かつてゲーム機でプレーしていたRPGなどといったゲームには、クリアというゴールがあったが、いまのオンラインゲームには明確なゴールがなく、いつまでも続けられる。さらに、運営側は定期的にゲーム内容をアップデートして、新しいキャラクターや舞台、アイテムなどを提供し、いつまでもプレーヤーを飽きさせないように絶え間なく刺激を与え続ける。

「また、ADHDの人は遅延報酬を嫌うということも、ゲーム依存と合併しやすい要因のひとつです。これはたとえばいますぐ100円もらうのと、1日後に1000円もらうのでは、いますぐ100円をもらうほうを選んでしまうように、目の前の利益に飛びつきやすい性質をさします。ゲームに熱中しすぎて学校に行かなくなると、将来的に困ることになることまで頭が働かず、目の前の刺激を優先してしまう。いまほしいアイテムを入手するために高額の課金をしてしまうのも、これが原因です」

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