医療事故が起こる背景には経験や資格が不十分な医師が対応しているケースも少なくないのですが、それを周りが止められない状況である場合もあります。本来であれば、経験や資格がない医師がリスクがある処置を行おうとした際に、周囲のスタッフが「先生、ひとりでやらないでください」といったようにストップをかけなければいけません。チームにそうした声をかけられない空気があると、医療事故につながる可能性が高くなってしまうのです。
能力と経験のある医師がきちんと点検をしながら手術を進めれば、今回のような事故は起こりえません。しかし、起こってしまったということは、どこかしらの点検が足りなかったということです。
あってはならない医療事故を防ぐためには、小さな「当たり前」を徹底していくことが大切なのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」