再発が起こると、今回と同じ内視鏡切除を行うことになります。
再発するたびにこの治療を10回以上繰り返している方もいたりします。他のがんなら、完全切除すれば治療が完了することがありますが、筋層非浸潤性膀胱がんは、再発しては手術、再発しては手術を繰り返すのです。米国では、「最も医療費がかかるがん」といわれるほどです。
再発を予防するために有効なのは、BCG(ウシ型弱毒結核菌)を膀胱に注入する治療法があります。BCG治療による5年再発率は約4割、未実施では6~7割。
■初回治療から10年後に進展する人も
しかし、BCG注入療法は抗がん剤注入療法と異なり、ごく軽微なものまで含むと、ほぼ全例の患者さんに何らかの副作用が表れます。排尿時の痛みや頻尿が最も多く80%、次いで肉眼的血尿が72%、排尿困難が33%などのほか、尿道痛や残尿感、陰茎浮腫などが起こることもあります。さらに60%に発熱が見られ、発熱に伴う関節痛、白血球の増多なども珍しくありません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁