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腹部超音波検査は尾道方式なら難治すい臓がんも早期発見

5年生存率は全国平均の3倍に(C)日刊ゲンダイ

 それでも、膵臓は胃の後ろにあって十二指腸や肝臓、大腸などに囲まれているため、超音波でもチェックが難しい。膵臓がんは早期発見が困難で、難治がんとして知られています。プロ野球の星野仙一さんや元横綱の千代の富士関らが、このがんで亡くなったことでもご存じでしょう。

 では、まったく無理かというとそうではありません。広島・尾道では、JA尾道総合病院を中心に膵臓がんを早期発見する取り組みが進んでいるのです。

 膵臓がんは「糖尿病」「肥満」「喫煙」「膵臓がんの家族歴」などがリスクで、クリニックの受診者がこれらに該当すると、腹部超音波検査を実施。異常があるとすぐに総合病院に紹介します。この仕組みを徹底した結果、5年生存率は全国平均の3倍近い20%に上昇。超早期のステージ0で発見される人も珍しくないようです。

 では、尾道在住でない人はどうすればいいかというと、特に糖尿病の人は毎年1回、腹部超音波検査を受けることをお勧めします。より精密な超音波内視鏡ならなおよしです。

梅田悦生・赤坂山王クリニック院長

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