1月に入って、インフルエンザが猛威を振るっている。厚労省のまとめによると(25日時点)、全国の患者数は約213万人で、44都道府県で警報レベルを超えたという。通勤電車のサラリーマンやOLは、大半がマスク着用で予防に懸命だ。
そんな中、東西線・葛西駅前のあるチェーン薬局をのぞくと、ある商品の棚だけがキレイに空になっていた。
「ウイルスや菌を除去する『クレベリン』ですね。置き型やスティックタイプがありますが、ただ今、すべて欠品中で入荷待ち状態です。申し訳ありません」(担当者)
今年に入って子どもがいる母親らが次々に買っていったという。中央区内の薬局に置き型のタイプだけ残っていたので購入してみた。
「クレベリンは空間や物に付着したウイルスや菌、臭いを二酸化塩素ガスの力で除去します。弊社社内ではオフィスあちこちに置いてありますよ」(大幸薬品広報担当者)
部屋に置くだけで、ウイルス・細菌を除去――か。しかも1カ月間、効果が続くらしい。風邪やインフルエンザのウイルスや細菌に効果があるとは書いてはいないが、消費者が過剰反応しているのだろうか。
もっとも、ウイルスや菌を除去するとうたう商品は他にもあった。たとえば、スプレー式の「イータック抗菌化スプレーα」(エーザイ)。これも「抗菌作用が1週間持続」と大書されている。
「外出前にコートや手袋、かばんにスプレーするとウイルスや菌を寄せ付けません。付着する前に、防御に使うことをオススメしています」(同社担当者)
マスク用は、文字通りマスクの表裏にスプレーすると同様の効果が得られる。これも年が明けてから売れているという。
風邪・インフル対策はうがい、手洗いが基本だが、“除菌剤”は、転ばぬ先の杖となるか?