後悔しない認知症

「想定外」が効果的 数独より海外旅行が前頭葉を刺激する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「脳を使い続ける」「親の脳を悩ませる」ことが、認知症の発症、進行を遅らせるために有効であることは臨床経験の豊富な医師のおおむね一致した意見だ。だからこそ、認知症の高齢者、その予備群ともいえる中高年の子ども世代は、新しいことへの好奇心を失わずチャレンジを忘れないことだ。ルーティン化した生活をリセットするために、新しい交友関係、新しい趣味へのトライ、未体験のエリアへの旅、はじめての飲食店、スポットの訪問などを意識的に取り入れるべきだ。大切なことは少しでも好奇心が芽生えたら実行するということ。これが脳を使うこと、悩ますことにつながるのだ。

 認知症の親を持つ子どもは日ごろから親の好奇心を刺激し、さらに行動を促すことを忘れないほうがいい。たとえば、テレビを見ている親が「立川志の輔っておもしろいな」とつぶやいたら寄席に行く。「鹿の肉なんてうまいのかな?」ならジビエ専門店に足を運ぶ。「『万引き家族』とは変なタイトルだな」なら映画館に連れ出してみればいい。「『純烈』って変わったグループね」という高齢の母親ならスーパー銭湯へ連れて行くことだ。そうしたシーンでは、高齢な親にも新しい発見がある。「想定外」に対する心理的反応も生まれる。

1 / 3 ページ

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

関連記事