後悔しない認知症

「想定外」が効果的 数独より海外旅行が前頭葉を刺激する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 脳科学の面から考えても、人は経験したことのないシーンでは、これまで使ったことのない前頭葉の機能が活性化する。生まれてはじめての海外旅行など、まさにそれだ。

 新しいチャレンジは新しい情報の入力につながる。入力された情報の出力、つまり会話や記述の機会も増える。これが脳の老化を遅らせる。

 ただし、新しいことへのチャレンジがすべて有効かといえば、そうとは限らない。「脳の活性化にいいから」と認知症の高齢者などにもともとの趣味でもない数独、計算、パズルを推奨する人がいる。私はその効果に否定的だ。たしかに計算の能力を高めるかもしれないが、脳の他の機能を高めることはない。このことは実験で明らかになっている。マニュアルがわかれば自動的にこなせるエクササイズでは、その効果は極めて限定的だといっていい。

 新しいチャレンジのテーマ選びは、「想定外」を体験すると同時に、機嫌よく、意欲を駆り立てられるものがいい。

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和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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