「まさに食道がんは、嗄声が自覚症状のひとつ。それだけではありません。下咽頭がん及び喉頭がん、肺がん、甲状腺がん、進行した乳がんなどさまざまながんが声の変化と関係しています」
下咽頭がん及び喉頭がんは、硬いがんが軟らかい声帯部分にできることで、声帯の働きが妨げられ、嗄声となる。一方、食道がん、肺がん、甲状腺がん、進行した乳がんなど声帯と無関係のように思えるがんによる嗄声は、声帯を動かしている神経、反回神経が障害されていることが原因だ。
「反回神経は脳から喉に向かって下行し、喉を素通りして大動脈弓や鎖骨下動脈へと向かい、反回して上行し、声帯へ到着します。この反回神経が接するところには、食道、肺、甲状腺、乳房があり、これらの部位にがんができると反回神経が障害されるのです」
■大動脈瘤の2割は声の変化で発見