川島教授が言う。
「灰白質の解析では、11.2歳を越えると、『ご飯』グループの頭蓋内に占める灰白質の割合は、『パン』グループより有意に高くなる一方、それ未満の年齢では有意差が認められませんでした。ご飯食の影響は長期的に灰白質に影響を及ぼすことがうかがえるのです」
■低GI値と低脂肪が脳発育のカギ
パンに比べて、ご飯は何が優れているのか。川島教授が続ける。
「ご飯のGI値(食後血糖値)は、パンより低い。GI値の低い食品は、高い食品より血糖値の上昇が緩やかで、その後の血糖値が安定します。脳が消費する糖質は、大部分がニューロンを安定状態にすることに使われるため、糖質を安定的に供給できるご飯は脳の成熟に重要だと考えられるのです」
高脂肪食は、脳の神経伝達を低下させることが分かっている。パンの方がご飯より脂肪含有量が多く、パンはご飯より灰白質の体積が少なかったようだ。
「お米を食べる」効能を見直す