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こんまり大ブームの陰に汚い部屋が与える健康への悪影響

近藤麻理恵さん
近藤麻理恵さん(C)日刊ゲンダイ

 “こんまり”こと近藤麻理恵さんの本「人生がときめく片づけの魔法」はアメリカをはじめ世界中でベストセラーになったのはよく知られる通り。

 今年1月1日からは、こんまり本人がアメリカの家庭を回って片付けを伝授するテレビ番組「Tidying Up with Marie Kondo」がNetflixで配信され、チャリティーなどへの服や本の寄付が激増するなど、全米で新たなこんまりブームが巻き起こっています。そして、大変な盛り上がりを見せているのが、「散らかった家が、健康に大変な悪影響を与えていた!」という話です。

 まず、脳というのは整然とした状態を好むため、モノがあふれかえる環境にいると、認知機能に過剰な負荷がかかり、記憶力が低下したり、集中力や情報処理能力が失われる。

 雑然とした場所にいると、体内のストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、ストレスや不安の原因になる。そのため、免疫や消化機能が低下し、2型糖尿病の原因にもなるといいます。

 睡眠にも影響があり、入眠しづらかったり、熟睡の妨げの原因になるとの研究結果も。 

 また、人間関係にも作用するかもしれません。乱雑な部屋で映画を見た人は、登場人物の感情表現を正しく理解できなかったという調査データもあるのです。

 そして、極めつきは、散らかった家に住んでいると太る! スナックを余計に食べ、特にフルーツなどヘルシーなものより、クッキーなどをより食べる傾向がある。ものすごく散らかった家に住む人は、そうでない人に比べて77%太っているというデータも報告されています。

 散らかっている状態に対処しようとするために余計に食べてしまったり、部屋の乱雑な状態を意識しないように、テレビを長時間見てしまうということもあるそうです。

 こんまりブームで思わぬ注目を集める「散らかる部屋の脅威」。日本式の片付けが、アメリカ人の健康を救うかもしれません。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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