「軟らかいものばかり」は誤解 歯並び悪い子供が増えた訳

バランスの取れた食事を(C)PIXTA

 実際、「歯科矯正患者」「一般の人」「正常咬合者」の歯の大きさを比べたところ、歯科矯正患者が最も大きく、正常咬合者が最も小さかったことが複数報告されている。

 歯の大きさについてはマウスなどの動物実験により、低栄養だと歯は小さくなる。

 妊娠中あるいは妊娠後に与える食餌の種類によって歯の大きさは変化する、高タンパク・高脂肪食を与えると下顎の臼歯が大きくなることなどが報告されている。

■日本人の歯は豪州先住民並み

 愛知学院大学歯学部元講師で「山田歯科クリニック」(愛知県名古屋市)の山田博之院長(歯学博士)が言う。

「実際に日本人の歯のデータを見ると、戦前と戦後では大きさがかなり違っています。上下顎中切歯から第2大臼歯までの歯の大きさ(14項目)の平均値を合計した値(TATS値)で戦前と戦後の名古屋地区住民を比較したところ、戦前(1924~1926年生まれ)は114ミリであったのが戦後(1964~1966年生まれ)は118ミリ。これは豪州の先住民・アボリジニに匹敵する大きさです」

3 / 5 ページ

関連記事