「軟らかいものばかり」は誤解 歯並び悪い子供が増えた訳

バランスの取れた食事を(C)PIXTA

 歯は顎の中で発育するため環境の影響を受けにくい。そのため長らく歯の大きさは変わらないと思われていたが、違っていたというわけだ。

「一方で、矯正歯科患者だけでなくその母親の歯を調べた研究では、他の母親に比べて歯が大きかったことが確認されています。つまり、歯の大きさは遺伝の影響はあるものの食べ物による変化の方が大きく、叢生に関係している可能性があります」(山田院長)

 むろん、栄養が良くなったことで戦後に成長したのは歯だけじゃない。背も体重も腕や足の長さも変わった。顎も大きくなり、顔の形も面長になり、顎もエラが張った人は少なく、顎がきゃしゃないわゆるしょうゆ顔の人が増えてきている。歯が大きくなり、従来あった歯が生える予定の場所(歯槽骨)の歯が大きくなったためその分、萌出余地は小さくなり、歯並びが悪くなったと山田院長は推測する。

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