「知的能力障害者の方の歯の治療は患者にとっても歯科医師にとっても大変です。10秒間、口を開けてもらうことが簡単ではないこともあります。なかには全身麻酔が必要なケースもあります。その準備と眠りから覚めるまでのフォローのため、虫歯治療でも入院が必要になることもあるのです」(田中歯科医師)
しかし、40代男性に歯科VRによる虫歯治療を施したところ15秒以上開口状態を保てたので、抜歯などの積極的な治療ができたという。
■麻酔、入院が不要に
「おかげで医療麻薬を使わずに済み、治療に伴う手間とリスクが減りました。医療側だけでなく患者さんの負担も軽くなるのは素晴らしいことです。今後、増加が予想される認知症の患者さんの歯科治療にも有効だと思います」(田中歯科医師)
「BiPSEE歯科VR」を手掛ける㈱BiPSEEの代表取締役で心療内科医の松村雅代氏が言う。