「子宮内膜の再生のために幹細胞を用いるのですが、幹細胞自体を使うわけではありません。幹細胞を培養したときにできる上澄み液(上清液)には、サイトカインや成長因子など数多くの有効成分が含まれます。その液を子宮内に注入して、内膜を再生、蘇えらせるのです」
幹細胞培養上清液を使った治療は、すでに美容医療で皮膚の肌質改善などに用いられており、組織を再生させる点で効能のメカニズムは同じだ。ただ、通常は患者の皮下脂肪に存在する脂肪由来間葉系幹細胞が使われることが多い。ERPでは、患者の月経血に含まれる「月経血由来幹細胞(間葉系幹細胞)」を使用するのが特徴だ。
■着床不全の35歳以上が対象
ERPの流れは、月経1~3日目の月経量が多い日に来院。月経血(3~5㏄)の採取は、痛みはなく1分程度。その後、月経血から幹細胞を抽出し、30日間培養。
人生100年時代を支える注目医療