それでも、心房中隔の弾力性によって穿刺しづらい患者さんがいたり、少しずれた場所を穿刺してしまうと大動脈に刺さって大量出血してしまうケースもあるため、やはり医師の経験値は重要です。私が順天堂医院に赴任した02年ごろに同様の事故があったことで、それ以来、ブロッケンブロー法による治療は一切行われなかった時期がありました。
今回、亡くなった男性患者は肺に傷がつく気胸を起こしていたので、穿刺の過程で何らかのトラブルがあったのかもしれません。
次回もマイトラクリップについて取り上げます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」